「リスクとリターン」しつこくまとめ2
現代ポートフォリオ理論では、「リターン」のことを「期待収益率」または「期待リターン」と呼びます。このあたりの言葉の使い方が、混乱してしまう原因の1つです。ちなみにこういう言葉の定義は、とても重要です。
特にある話で用いる言葉に特殊な意味だとかその業界内では常識と思われていることでも、最初に定義をしっかり説明しておかないと話を聞いている方は、ちんぷんかんぷんになってしまいます。
さて、この「リターン」ですが、どうも本などを読んでいると、本来多くの人が理解している言葉の意味で使っている場合と、現代ポートフォリオ理論で使われている「リターン」をごっちゃにしているような気がします。なので、読んでいると、なんだかよくわからないという結果になってしまいます。
まず、「リターン」は運用によって得られる収益なので、過去の実績ははっきりとわかります。例えば、10万円を投資して、1年後12万円が得られたとします。すると12万円−10万円=2万円となり、2万円が「リターン」ということになります。
2万円は、1万円の配当金と1万円の値上がり益から得られたとします。この年の収益率は(1万円+1万円)÷10万円×100=20%となります。この20%を投資収益率と言います。
投資収益率(%)=(インカムゲイン+キャピタルゲイン)÷投資金額×100
インカムゲインとは、利子や配当金などのことを言います。キャピタルゲインは値上がり益のことを言います。過去の実績の投資収益率をすべて集めて、平均値を出すこと(加重平均値)が可能です。
将来のことは誰にもわからないので、必ずこうなるということは言えないのですが、過去の実績から加重平均値を出すことで、確率的にこのぐらいの投資収益率が見込めるだろうということが言えます。この加重平均値を「期待収益率」または「期待リターン」と呼びます。
「期待収益率」のことを「リターン」と単に呼んだりするから混乱することになるのです。 「ボラティリティ」という言葉もまた、現代ポートフォリオ理論では「リスク」と呼んでいますから、混乱してしまいます。
まず「期待収益率」はいいですよね?過去の実績から計算される投資収益率の加重平均値が「期待収益率」です。これは要するに過去の実績の平均を出して、その実績からこれぐらいの結果は期待(予想)できるよねというものです。
では、「ボラティリティ」とは何かというと、その「期待収益率」からどのくらいずれる幅があるのというものです。 簡単に言うと、過去10年間の「期待収益率」が5%だったとします。でも実績は常に 毎年5%の「投資収益率」ではなく、2%の時もあれば10%の時もある、悪い時は-10%ということもある。
すると「期待収益率」つまり平均は5%なんだけれども、年によっては10%の時も-10%の時もある。この場合の「ボラティリティ」は-10%から10%の幅があるということなのです。
だから、この投資対象のものに10年間投資した場合、平均で5%のリターンが期待(予想)できるが、年によっては-10%になる年もあるだろうし、10%になる年もあるだろうということがわかるのです。
この「リターン」のばらつきのことを現代ポートフォリオ理論では「リスク」と呼んでいるのです。 このばらつきが激しいことを、つまり「期待収益率」からの幅が広いことを「リスク」が高いとか、「ボラティリティ」が大きいといったりするのです。
ちなみにこの「ボラティリティ」は「標準偏差」とも言います。大丈夫でしょうか?わかりましたか?ここは非常に大事なところなので、本当によく理解して下さい。ここさえわかれば、資産運用をすることはかなり簡単になるはずですからがんばりましょう。
「リスク」「リターン」「期待収益率」「ボラティリティ」の説明は以上です。ここがたぶん1番の難関ではないかと思います。なんとか乗り越えて下さい。








